百円の男 ダイソー矢野博丈

2017.12.04 社長日記

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皆さん、こんばんは。今夜も「社長日記」をお読みいただきありがとうございます。

今夜は実に面白い書籍をご紹介します。

誰もが一度は店に訪れたであろう「ダイソー」

店内は100円というクオリティを超えた商品の数々で埋め尽くされ、日本国内は約3100店舗。国内外を合わせると5000店舗近くに上る「ダイソー」は、もはや「100円ショップ界」の王者といえますね。

そんな「ダイソー」を一代で築き上げたのが創業者の矢野博丈氏。さぞ素晴らしいビジネスプランとブランディングを持っているに違いない、と考えるところですが、100円ショップ誕生のきっかけは偶然だったことがわかります。

矢野氏の人生は決して平たんなものではなかった。100円ショップ誕生の転機となるまでの矢野氏の過去を箇条書きでご紹介します。

・父は医者を営んでいたが時代が時代のためお金のない患者が多く、満足な収入が得られず貧乏だった

・中学時代にいじめられて相手を見返すために始めたボクシングにはまり、オリンピックの強化指定選手に選ばれた

・大学時代に初めて恋人ができたが、お金がないので満足に結婚式をあげることができない、と考えた矢野氏は、在学中ならば簡素な結婚式でも大丈夫だと気づき、恋人にプロポーズして学生結婚してしまう

・大学卒業後、妻の実家の家業を継いだものの経営が傾き、最終的に実兄から700万円の借金を背負って家業から夜逃げしてしまう

・その後、出身地である広島県で一番の金持の養子になる(矢野氏の家族も一緒に養子として迎えられた)ものの、矢野氏の子どもに対する態度が気に食わず、家を飛び出してしまう

・その後、いくつもの職を転々として、100円ショップ誕生のきっかけとなる、当時「サーキット商売」と呼ばれていたトラックによる「移動販売」を始める

利益に走ることなく「お客様第一主義」を貫き、

火事、詐欺、借金、夜逃げ等、いくつもの試練を乗り越えて・・・

「ダイソーは潰れる、ダイソーは潰れる!」といわれ続けてきたが、持ち前の反骨心と謙虚な商売を続けた結果、「今」がある。

矢野氏が新入社員に向けた言葉があります。

「運というものは先祖や両親からもらったもので、生まれた時から持っているものが半分あります。あとの半分は毎日の良いことや努力の積み重ねによって開けてきます。だから思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になりますから。だから運というのは考え方なんです。自分の心の置き方によって、運は開けたり開けなかったりします」

波乱万丈の人生を生き抜いてきた矢野氏だからこそ、出てくる言葉ではないでしょうか。

100円ショップ・ダイソーの商売は決して安いものではない。100円で儲けを出すだけの信念がこもっているのですね!

やる気が出て、実に元気になれる一冊です^^