近畿大学が志願者日本一になった意外な理由

2017.02.06 社長日記

私の友人にも一人、近大出身者がいます。

日本中に数多くの大学がある中で近年、急速に志願者数を伸ばしています。

近代の今年の志願者数は約12万人、となり

昨年よりも5.5%増加。2位の明治大学を押さえて3年連続で日本一、となっており、

実は過去10年で志願者集を2倍以上に伸ばし、10年前の10位から急速に台頭しています。

大学を選ぶ理由は人それぞれながら、私もそうだったように多くの学生が知名度、偏差値、就職率、等を第一に考える、と思います。

この点では近大は明治大学や同3位の早稲田大学、同4位の日本大学、等といった関東の有名マンモス私大だけではなく、「関関同立」と称される関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学、という関西私立のトップ校を押さえるという大奮闘を見せています。

なぜか?

近大は「実学教育」という堅実さを長年、訴求しています。

そこで打ち出したのが「近代マグロ」

2003年、株式会社アーマリン近代、というベンチャーを立ち上げ、マグロの出荷を始める。

2013年、養殖魚専門料理店「近代水産研究所」を東京・銀座、大阪にオープン。

30年以上研究を重ね、完全養殖に成功したクロマグロ、です。

「実学教育」といっても一般的にはなかなか伝わりませんが、

「近代マグロ」というインパクト、と実績が一体となったコンセプトにより、一気に伝わるようになった、と言われています。

わかりやすいコンセプトは瞬く間に広がり、社会に通用する人材になりたい、という受験生に共感を得られたのです。

「近代マグロ」の本質は、「伝えたい主張」と「信じられる理由」が一つに集約されているのだ、と。

これだけ難しい研究成果をあげているのだから、社会に通用する人材になれるはず、と一発でわかるコンセプトになっており、

「偏差値とは別軸で勝負し、実学教育をもって理解しほしい」近大と、「納得感を持って大学を選び、社会で活躍する人材になりたい」と願う受験生の重なりによるところだ、と思います。

「近代マグロ」という唯一無二の存在と「近畿大学」自体を重ね合わせることで、偏差値では測れないポジショニングに成功した事例、と言えますね。

偏差値勝負ではなく信じられる根拠。

実学教育のロールモデル、となり、

これからの大学選びの参考になります。