二日月
千葉東高校時代の同級生、三木くんが私にプレゼントしてくれた書籍「二日月」
昨夜、読ませていただきました。
あたしの妹、1歳の芽生。まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし。
そういうことができるようになるかもわからない。
だけど、芽生はあたしのそばにいる。
あたしはいつも、芽生のそばにいる。
ミルクを飲んでもすぐに吐いてしまう妹。
医者に、障がいがあるかもしれないと言われ・・・
生まれたばかりの妹と過ごす、少女の1年を描いた作品です。
命の危険にさらされながらも少しずつ成長していく芽生と、心を揺らしながらも強くなっていく杏。
そして、芽生の成長を信じ、懸命に命を守ろうとする両親。
妹ができたという喜びもつかの間、杏は、妹の芽生が、いつまで生きられるかわかない現実に直面します。
それは、簡単に受け入れられるものではない。
芽生の将来への不安。気の抜けない日々での戸惑い、孤独。
さまざまな感情に巻き込まれます。
頭では分かっているけど、心がついてこない。
発育の遅い芽生に対する周囲からの偏見に反発しつつ、自分もまた芽生を恥ずかしい、と思ったり、ままならない心に向き合いながら、杏は少しずつ成長していく。
揺れ動く日々の中で杏や両親にとって何よりも強い支えとなっているのは、芽生が今、ここに生きている、という事実。
芽生のありのままの命が、不安や偏見を超えた力を持っているのと同じように、ありのままの自分に向き合う強さこそ、杏の心の強さなんだ。
心は自分でもコントロールできないときがある。
杏は、自分の心を満ち欠けを繰り返す月に例えます。
みなさんはどうですか?
自分の心の満ち欠けを感じたことはありますか?
感じたことがあるのであれば、それはどんな時?
心が揺れ動いてしまうのは、心が弱いからなのでしょうか?
心が揺れ動いてしまうのはいけないことでしょうか?
私はそうは思わない。
昨夜、久しぶりに、号泣してしまいました。
今、こうして文章にしている間にも涙がこみ上げてきています。
私の子どもたち、知佳乃、昇真、周真、にも
読んであげたい、と思います。
とても、とても考えさせられる、たくさんの愛情にあふれた一冊です。
ありがとう。