こんな夜更けにバナナかよ
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皆さん、こんにちは。いつも「社長日記」をお読みいただきありがとうございます。
突然ですが、皆さんは「ノーマライゼーション」という言葉をご存知ですか?
Wikipediaによると、『1960年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害者も、健常者と同様の生活ができる様に支援するべき、という考え方である。また、そこから発展して、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方としても使われることがある。またそれに向けた運動や施策なども含まれる』と書かれています。
本書は主人公である、札幌で自立生活を送る進行性筋ジストロフィー症、重度身体障害者である鹿野氏が42歳で亡くなるまでに関わった多くのボランティアの人たちを描いたノンフィクションです。
一般的な、「重度障害者、死に向かって生きている、崇高なイメージ」とは全く異なり、どこまでも「自分、自分」を押し出し、生に対する執念、欲求充足と生命維持のために、周りの人たちを動かし、純粋な気持ち、優しさだけでは成り立たない、また、一瞬にして成立しなくなる、危うさをはらんだ、人間関係の世界。
進行性の病を発症し、少しずつ身体機能が低下していく。死期が近づいている、と自分でわかった時、人はどのような行動を取るのか?
鹿野氏の「生きる」ことは、途方もない重力に抗い、もしくは凄まじい逆風に向かって進むこと。でもそれって、鹿野氏だけに限られたことではないですよね?実際、私たちも見えない重力、体感できることのない「風」に逆らって、または向かって生きているのだと思う。ただそれに、気づかない人が多いだけなのではないでしょうか?
「普通」とは何か?
「障害福祉」とは?「介護」とは?と
考える上で素晴らしいヒントをいただける内容でした。